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UPDATE:2018.4.17

コンプのつかいかた

お久しぶりのブログです。カズキです。
すっかり春ですね!

スギ花粉もさすがにピークを過ぎたのか、自分はだいぶ症状が治まってきた気がします(薬は飲み続けてますが)。
今年はヒノキ花粉が去年の400倍だか飛んでるそうなので、ヒノキまで発症しないようマスクしてます。
うーん、花粉症治らないですかね。うっかり治った!みたいなノリで…。

さて、久々に書くブログですが以前と書く内容がまるで変わりません。
おそらくほとんどの人はわからないであろうミックス段階のお話です。
わからなくて大丈夫です。「まーたカズキが変な事書いてる」程度に思っててください。

ミックス作業において最も重要な要素、ダイナミクスコントロール。
迫力のあるドラムやそれに負けないボーカル、繊細なタッチだけどバンドに埋もれないピアノ、極太のベースサウンド。
それらのほとんどはコンプによるコントロールで作りだされていると言っても過言ではありません。

でも、ミックス初心者/初級者の人にとってかなり難易度が高い作業であるのも事実。
そんな人のために、ちょっとだけヒントを書いてみようと思います。

1. コンプの役割 ・音の大小を揃える
2mixされた楽曲ではキックやスネアは一定の音量で鳴ってほしいもの。コンプを適切に使って安定したリズムを手に入れましょう。
・音をとがらせる/鈍らせる
ふわふわっとしたボーカルの活舌を救い出したり、タッチの強すぎたピアノをなだめることだってできます。
・音質を変える
いわゆるアナログシミュレートのコンプを使うと、実物の回路を通った時のほどよい音の劣化をシミュレートして得られます。

2. じゃあどう使えばいいのさ! ・コンプ(やEQ)を使わずにバランスを取ろう
ズサーッ(ずっこける音)と聞こえそうですが、大マジです。
まずはフェーダー/パンのみで思い描くバランスを取っていきましょう。そこで不足した要素を補うためにコンプ(やEQ)はあります。
・各パラメータの役割を知ろう
ほとんどのコンプは共通したパラメータを持っています。ざっくり紹介しましょう:
/レシオ
「どれだけ音を潰すか」。大きい数字になるとよりきつくコンプがかかります。
ミックス時であればまずは4:1がオススメ。キツすぎると思ったら緩めればいいし、足りないと思ったら数字に惑わされずガンガン上げましょう(12:1だって、決して反則じゃありません)。
/スレッショルド
「どこから音を潰すか」。小さい数字になるとよりきつくコンプがかかります。
4:1のレシオで、ゲインリダクションメーターが4db程度振れるとこからスタートするといいと思います。レシオ同様、キツかったら緩めましょう。
/アタック
「いつから音を潰すか」。”(つまみの位置が)12時より少し早め”ぐらいからスタートするといいでしょう。
早くすると出音は滑らか/ヌルッと、遅くすると荒い/パンチのある音が得られます。
ドラムのようなトランジェント感の大切な楽器はやや遅め、ベースやピアノのような安定した音が欲しい楽器は早めがオススメ。
通常左に回すと早く/右に回すと遅くなりますが、”1176スタイル”と呼ばれるコンプは左右が逆なので注意。
/リリース
「いつから音を元に戻すか」。基本は最速でいいでしょう。
遅くなるに従って音が奥まっていきます。逆にそれを使い「音量は出ているけれど、スネアより後ろにいるギター」のようなシチュエーションに対応できます。
通常左に回すと早く/右に回すと遅くなりますが、”1176スタイル”と呼ばれるコンプは左右が逆なので注意。
/ニー
「どれだけアバウトに反応するか」。ソフトであればスレッショルド未満でもコンプが反応し、ハードであればスレッショルドにピークレベルが到達しないとコンプは反応しません。
音を鈍らせたいならソフト/とがらせたいならハード、程度の認識でもほぼ問題ないでしょう。
/ウェット(ミックス)
コンプの通った音と原音をミックスできます。「パラレルコンプ」と呼ばれる技術です(覚えなくていいです)。
「うわっ、この強めのコンプの出音メッチャかっこいいじゃん…だけどコレだと埋もれすぎちゃうな…」という時にはWetをDry側に少し動かしてみましょう。きっと理想の音が出てきます。

3. なるほど。それでどのコンプ使えばいいの? ・アナログコンプとデジタルコンプを使い分けよう
非常に大きなくくりとして、コンプは実機を元にしているかそうでないかで分けられます(ここでは実機モデリング/アナログスタイルを「アナログコンプ」そうでないものを「デジタルコンプ」としています。)
/アナログコンプ
コンプとしての役割の他にも音質を整える効果が期待できます。1176スタイルであれば鋭いアタック感とパンチ、VCAならグルー(なじみ)感と厚いミッド。真空管コンプなら図太さと音が飛び出てくるように前に配置できる効果も見込めます。
ただし、逆に言えば音が変わってしまうとも言えるでしょう。既に満足している音に対して余計な色をつける必要はありませんし、あまりにも沢山のアナログコンプを使うと過剰な色付けでミックスが破綻することもあります。
/デジタルコンプ
基本的には音質が変わらず、コンプとしての役割のみを全うします。音のコントロールもしやすく、アナログコンプほど多数の使い分けが要らないこともメリットです。
ただし、アナログコンプのような強力なグルー(馴染み)感は期待できません。EDM系ならともかく、バンドサウンドにおいてはすこし物足りない結果となるでしょう。

さて、だいぶ長々と書きましたが、コンプの事を少しでも知ることができたでしょうか?
またネタを思いついたらより深く書いてみようかなと思います。

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