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UPDATE:2017.1.17

Slate Digital VMR

おはようございます。ブログではあけましておめでとうございます。

カズキです。

今年の抱負は?と聞かれたら「機材を買うことです!」と元気よく答えることにしているんですが、「いつも通りじゃねーか!」というツッコミをあまり頂けておりません。悔しい。

 
さて、タイトルの通りSlate DigitalVMRについて書いていこうと思います。

 
Slate Digitalは硬くモダンな解像度ながらアナログ感のあるカラーを強めに付加する出音で知られており、今や業界のニュースタンダードとして評価されています。

ハードウェア開発も(以前の製品は別部門だったはずですが)行っており、新製品のVMS(Virtual Microphone System)は専用のマイク/マイクプリアンプを使用して録音し、後から様々な名機のマイク/マイクプリアンプのカラーを適用できるという、まさに夢のような機材を実現する新進気鋭のメーカーとしても知られています。
 
さて、VMRとは「Virtual Mix Rack」の頭文字で、API500スタイルで並ぶプロセッサーをインサートして使うようなインターフェースのプラグインです。

同じようなスタイルだと、他メーカーではSoundtoys EffectsRack等が有名でしょうか。

非常に優れたプラグイン群であることは理解していたんですが、Slate Digitalは実質的に月額/年額課金制を採っており、買い切りではない部分に抵抗があり今まで購入していませんでした。しかし去年(2016年)の年末セールで「今ならなんとEverything Bundle(リリースされているプラグイン全部入りパック)が年額$149!」というメールが届き、「($149だったら今まで散々買ってきた買い切りプラグインよりよっぽど安いし、飽きたらやめれるし、割と悪くないよな…)」と考え、思い切って購入してみました。

「なぜ今まで買ってこなかったんだ」って出音でした。悔しい。

 
今まで使ったプラグインのファーストインプレッションを書き残してみるので、もしよかったら参考にしてみてください(参考にする人いるのかな…)。

※記載のないプラグインはまだ使い込めてないです!

・The Monster Extreme Dynamic Processor
1176の”全押し”再現専用のコンプです。まあ音が潰れるし伸びます。結構ハイは柔らかめなのでスネアのパラレルコンプ等に最適。

・FG-73 Brit N PRE

名称、見た目からして名機”Neve 1073″のプリアンプ部分と思われます。ゲインの可変域が大きく、積極的に音を歪ませることも可能です。ハイは柔らかくなるのにローやミッドは締まったままなので、シンバルのハイがきつすぎたりボーカルが浮いてしまう時のちょっとした隠し味に。結構使用頻度高いです。

・Virtual Console Collection
以前何度か取りあげたコンソールエミュレーションです。最近結局コイツに戻ってきました。解像度が高いままどっしりと腰を据えたサウンドです。確かプラグインチェーンの最初にインサートするのを想定されていたはずですが、「プラグインで処理→実機サミングミキサーを通す→2mix」の流れを再現したくて一番最後にインサートすることが多いです。NEVEかTridentがお気に入り。

・FG-BOMBER

なんかよくわからないけどコンプです。…だとさすがに、と思って調べたら「ハーモニックジェネレーター、コンプレッサー、サチュレーター、フィルターなど」(M.I.D.より抜粋)複合的なエフェクトみたいです。アタックを強調したいスネアやキックにいい感じ。

・Trimmer

音量・位相反転を調整するだけのシンプルなプラグインです。実は結構コレ使いやすくて、DAW上のフェーダーの解像度が一番高い0db付近でトラックをコントロールするために、大まかなボリュームをこの時点で決めれるんです。地味だけど便利です。

・FG-116 Blue Series Vintage

1176スタイルのコンプです。後述のModernに比べるとかなりミッドの押し出しが強くハイが削れるので、ルームマイクにはまずコレ。カラーの合っていないアコギをカバーするのにも使えそうです。

・FG-116 Blue Series Modern

1176スタイルコンプ。カラーは比較的スムーズで、モデリングプラグインにありがちな「やけにハイが伸びる」といった印象はありません。とはいえかなり硬質な音なので、ベースをはじめリズムトラック、ボーカル等1176が活躍する場所でそのまま輝いてくれるでしょう。

・FG-S Brit 4K EQ

名前からしてSSL 4000シリーズが元ネタと思われるEQです。ご想像通りの硬い出音なので、後述のNeveスタイルと使い分けていく形になります。周波数やQは可変なので、より細かいトリートメントに向いています。ギターやボーカル等に。

・FG-N Brit N EQ

前述のNeve 1073モデリングと思われます。Brit4Kに比べるとかなり有機的で、ミッドの押し出しが欲しい場合にはこちらでしょう。プリアンプ単体と比べると可変域は狭いですがきちんと歪み付加もできます。ベースやボーカル等。

・FG-401 VCA Compressor
少しハイを落ち着かせつつ骨太気味に仕上げてくれます。ちょっとバスコン向けかな?という印象。ギターのトータルコンプによく使ってます。

・FG-116 FET Compressor
見た目通り1176モデリングと思われます。Blue Seriesと比べると少し荒さがある(気がします)。Blue Seriesだとちょっとスムーズすぎるなーと思ったときに試してます。

・Custom Series Lift

ウルトラロー/ウルトラハイのエンハンサーだと思います。ハイの「Presence」モードがスネアボトムのスナッピーを持ち上げるのに最適というのは分かったんですが、他はまだまだ研究中…。

・Custome Series EQ

アナログモデリングEQみたいです。周波数がある程度固定されている割に前述SSL/Neveと比べるとカラーがおとなしいです。しかし真髄はHF(高域)の気持ち良さ。これは他にはなかなかないと思います。OHを一度キチンと丸めた後コイツで12kブーストが最近の定番です。

・Revival

ローミッド/ハイミッドを中心にしたエンハンサーだと思います。CS Liftに比べると聞こえやすい帯域にキチンと効くので、迫力のないスネアを救い出したり、パンチのないボーカルをトリートメントするのに良い感じ。

 
これら全部一軍の戦力なんですよね…そう考えると通常価格年額約$180も納得です。

他にもVTMやVBC等あるので、また後日書きます!